足るを知る者は富む

人生観

足るを知る

資産形成をするためには、毎月の給与からどれだけ貯蓄・投資に回せるかが重要。そのためには超シンプルだが、

①収入を増やす ②支出を減らす 

この2つに限る。収入を増やすには転職したり、副業・起業をすることで実現可能・・・とは簡単にいかない。特別な才能やスキルを持った方なら、転職活動をして収入をアップすることが可能だが、私のような極々一般的なサラリーマンには厳しいものがある。転職活動自体は何のリスクもないので、一度試してみてほしい。無料の会員登録するだけで、自分の経歴や条件に合った求人を紹介してくれる。しかし、私の場合は給与が劇的に高くなるようなものはなかった。結局のところ、今までの経験やスキルを活かせる職場となると、同じような業界になり同じような待遇になる。もちろん職にもよるが、私の業界では結局どこに行ってもそんなに変わらないのが現実だった。実際に転職した結果、よくはなったが、「まぁこんなもんかな?」程度。副業・起業で成功するにしても、大変な努力・スキル・運など様々な要素が必要となる。

収入を増やすことができたとしても、支出が増えては資産は貯まらない。資産形成をするには、収入を増やすことも大切だが、まず一番に取り組むべきは支出を減らすことだ。収入を増やすことは容易なことではないし、必ずしも結果が伴うとも限らない。しかし支出を減らす、つまり倹約をすることは再現性が高く、やればやるだけ結果が付いてくるのが魅力だ。

支出を減らすというと、「ケチくさい」「人生がつまらなくなる」とイメージするかもしれないが、生活する上での満足度を下げずに支出を減らすことは可能だ。自分にとって本当に大切なものを理解し、必要以上の贅沢をカットできれば幸せに支出を減らすことができる。その上で、収入を増やす努力を続ければ大きな資産が形成できる。

知足者富 強行者有志(満足を知るものは豊かであり、その上で努力する人には志がある)老子の言葉

この資本主義の世の中は、「無くてもいいけどあったらいいな」をいかに売りつけるかの世界。企業はCMなどを駆使して、あの手この手で消費者にお金を使わせている。意識をせずに浪費をしてしまわないように、足るを知れてよかったと思うもの5つを紹介します。(あくまで個人的に無くていいな、削ってよかったなと思える事例です。大切にしているものは人それぞれなので、それを否定するつもりはありませんのでご留意ください)

足るを知れてよかったモノ ①スマホ

スマホに関しては、料金体系と本体の2つがある。料金体系については節約効果大!固定費削減! でも触れたが、今まで何の疑いもなく契約していた3大キャリアの料金と格安スマホの料金差に驚愕した。安いからと言って通信環境などは特に影響なく、何ら不自由なく生活できている。

本体については、もともと頻繁に機種変更をする方ではなかったが、バッテリーの持ちが悪くなったりの不具合が出るタイミングで何となく最新のiPhoneを購入していた。しかし、ゲームもしないしカメラもそんなに使わない。こんな人間がハイスペックな機種を特に意識もせず購入していたのだからもったいない。いま最新のiPhone16を購入したら18万円くらいするので、3年使ったとしても毎月5000円もかかる。オーバースペックなものに大金を使わずに、中古の型落ち品なら、ソフトバンク認定中古品でiPhone SE(第2世代)が11800円で買える。これでいい、これがいい。

足るを知れてよかったモノ ②車

地方に住む人間にとって車は無くてはならないものだが、それはあくまで人や物を運ぶ手段として必要なだけである。通勤で一人しか乗らないのに無駄にでかい車に乗ったり、サーキットを走るわけでもないのにスポーツカーに乗る必要はない。

参照:トヨタ自動車WEBサイト

でかくて高そうな車のイメージがあるミニバン。町中いたるところを走っているが、世の中のファミリー世代はこんな車に乗れるくらい金があるのかとびっくりする。中古でも4~500万円はするので、5年乗ったとして単純計算で83333円/月。もはや家賃。走る家。車中泊で暮らしていくしかない。

出典:自動車税種別割 | 税金の種類 | 東京都主税局 (tokyo.lg.jp)

車を所有すると車両代以外にも年間維持費がかかる。基本的に排気量が大きなデカい車ほど維持費も高くなる。排気量が2L超の車を5年間維持したとしたら、安く見積もっても車検代(2回)20万円、点検代(3回)4.5万円、オイル交換代(10回)5万円、自動車税(5回)18万円、自動車保険料(5年分)35万円。実際にはその他のメンテナンスや燃料・駐車場代がかかるが、基本の維持費だけでも82.5万円もかかることになる。雪が降る地方なら冬タイヤも大きな出費に。

出来れば車は所有しないに越したことはないが、生活する上でどうしても必要な場合は程度のいい中古のコンパクトカーや軽自動車にした方がいい。たまにお出かけで大きな車がいる場合は、レンタカーを利用すればいい。通勤をバイク・自転車に切り替えることで減車もできる。見栄や所有欲にこだわらなければ、考え方次第で大幅なコストカットを実現できるのだ。

足るを知れてよかったモノ ③ハイブランド品

「高いもんが良いもんの理論」は間違えではない。良質な素材を使い、凝った作りすることで良いものは仕上がるので、必然的に金額は高くなる。質が良いので丈夫で長持ちするし、センスのいいデザインは飽きがこないので長年愛用できる。安いものを高回転で買い替えるよりも、結果的に安くつくこともあるだろう。プレミアが付いて高く売ることができるかもしれない。ここまで考えた上で購入するのであればいい買い物となるだろう。しかし問題なのは、今現在の自分のステージに見合っていないことや、他の選択肢を考えずに所有欲と承認欲求むき出しで購入してしまうことだ。

日本人の平均年収400~500万円くらいの同じ会社の同僚(平社員)が、財布や時計をハイブランド品で固めたいで立ちで、これ見よがしに時計を着けたり外したりしながら、「今月ピンチなんだよね~。早く給料日来ないかな~!」と話しかけてきたらどう思うだろうか?正直に言って「痛いなぁ~」と思ってしまう。社長クラスや高給取りの人がさりげなく身に着けているのとはわけが違う。これが自分のステージに見合っていないということだ。ハイブランド品を身につけたからと言って自分のステージは上がらない。収入や地位が上がれば、無理なく自然にブランド品を購入できるレベルになる。その時に欲しかったら買えばいい。

本質的には時計は時間が正確にわかり丈夫で長持ちすればいい。服も清潔感があり、飽きが来ず長く着れればいい。ハイブランドで無くても質の良いものは沢山ある。「要件を満たすものは他にないか?」よく考えてから購入しなければならない。

足るを知れてよかったモノ ④人付き合い

「友達は多い方がいい」という思想は、小学1年生の頃から全国民にマインドコントロールされているようだが、付き合う人間の数が多いほど面倒が増えるのも事実。特に会社関係で仕事上の繋がりしかない人間と飲みに行ったところで楽しいはずもなく、こんなことで時間とお金を無駄にするほど無意味なことはない。「誘われたから」「会社の忘年会だから」と、そんなに親しくない人たちと惰性で飲みに行ってはいけない。大抵の場合は会社の悪口や噂話など、何の生産性もない話で終わる。1次会だけで解放されれば飲み代は5000円くらいが相場だろうが、この5000円と2~3時間を有効に使えば何が出来たかを考えよう。

中にはコミュニケーション能力が高く、社外の人と積極的に会いに行って人脈を作りビジネスに活かすことができたり、部下や同僚の悩みを飲み会の場で聞いてあげるなどして仕事の生産性をアップさせられる人はいる。外向的な性格によって、人とコミュニケーションを多くとることで成果をだせたり、何より自分自身が楽しいのならそれに越したことはない。

ただ私のような内向的な性格の持ち主は、「ガヤガヤした所が嫌い」「親しくない人と上辺だけの会話が苦手」「他人のどうでもいい趣味のことなど聞きたくない」という方もいるだろう。無理して人付き合いをして、お金も時間も失った上に疲れ果てて帰るのはどう考えてもムダ。そのお金と時間を使って、自分自身リラックスできる時間に使ったり、家族と楽しい時間を過ごすことに使ったほうがいい。

足るを知れてよかったモノ ⑤情報

インターネット技術の普及によって、大抵のことは調べればすぐに答えが見つかる。料理のレシピから投資の情報まで、ありとあらゆることがスマホ一つで分かってしまう。便利なようだが、同時に要らない情報まで流れ込んでくるので厄介だ。SNSでは世界中の人と簡単につながることができる反面、全く見知らぬ人の自慢話にしかならないようなどうでもいい情報も目に入ってしまう。ベストセラー作家の橘玲さんによると、「人間の脳にとって上方比較は損失、下方比較は報酬」とある。見ず知らずの他人の成功や自慢を見るだけで、自分自身の存在価値を低く感じてしまう様な感覚になったことはないだろうか?「若くして企業に成功し、仕事もプライベートも順調です!」的なものを見るとチッと思ってしまうのは私の心が狭いだけではなく、人間の本能によるものなのだ。

また、TVやラジオを始め、インターネットなどの情報媒体では、これでもかというほどCMを垂れ流している。特にネット上の広告は巧みにできており、過去の閲覧履歴からその人が興味ありそうな、欲しがりそうなものをプレゼンしてくれる有様。見ているだけで物欲が掻き立てられ、必要が無いものでも思わずポチっとしてしまうようにできているから恐ろしい。

これらを回避するには、垂れ流しの情報を見ないこと。これに限る。有名人の派手な私生活を見て羨ましくなったり(それもほんの一部のキラキラしたところを切り取っただけに過ぎないのに)、ネットニュースで凄惨な事件を見て憤ったり。それを見たところで自分の人生を前向きに進めるアクションを起こすわけでもないのに、感情だけが揺さぶられるのはあまりに無駄。

「そんなこと言ったって、何も情報が入ってこなかったら有益な情報まで逃してしまうじゃないか!」と思われる方もいるかもしれない。何も全ての情報をカットしろと言うわけではない。受動的に垂れ流しの情報を受け取らず、有害と思われる情報源を意図的に断つべきである。そして信頼できるリソースを自ら定めて、自分にとって有益な情報を自ら取り込んでいくのだ。心配しなくても大丈夫、向こうの方から勝手に転がり込んでくるような旨い話はほとんどが詐欺だから。

まとめ

現代は色々なものに溢れすぎている。ましてや日本で最低限度の生活を送ることはそう難しいことではない。「便利」になることは素晴らしいことだが、これはもう飽和状態になっている。家電も車も基本的性能はほぼ完成しているが、新しい付加価値を付けないと新商品として高く売れないから、とにかく要らない機能を付けまくっている。いらない機能が多いから、その分だけ故障するリスクが増える。車なんて走る・曲がる・止まるをきちんとしてくれればいい。いらん機能が故障して警告が出ると、例え走行には全く支障が無いものでもドライバーが不安になる。そんなところに金を掛けなくていいから、もっと基本的なところの素材にコストを回して、安心して走れる車を作って欲しい。

足るを知る。もっと欲しい・もっと便利になりたいと思うことは決して悪い事ではないが、欲望が天井知らずのままでは、いつまでたっても満たされず幸せになれない。これではいくらお金と時間があっても解決できない。他人と比べることなく、自分にとっての幸福のラインを知ることで、幸せとお金をバランスよく保っていく必要がある。

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