2025年。トランプ大統領就任後は関税問題やら何やらで株価は激しく乱高下。
「世界経済は終わりだー!!」と暴落煽り発信する人もいれば、「下落は落ち着いた。ここから反発、高値更新の幕開けだ!!」と言う人も。
4月末現在は一時の下落から回復しつつあるようだが、こう言った下落局面では投資活動自体を否定する声が大きくなるのも事実。実際、新NISA口座で積立投資しているS&P500 やオルカンは3%ちょっとくらいの含み損になっている。
幸いにも自分は、旧NISAや特定口座の株や投信での含み益があるので、全体的には余裕でプラスなのだが、新NISAが始まってから投資を始めた人が嫌になる気持ちもよくわかる。
2020年1月から積立投資を始めたが、その後すぐにコロナショックに見舞われて、しばらくの間は含み損が続いてのを憶えている。今回の下落幅はあの時よりも更に大きいので、直近で新NISAを始めた人がつらい気持ちになるのも仕方がない。しかしここで資産形成を諦めて市場から退場してはいけない。含み損はあくまで含み損。今売却してしまえば損だけど、将来上昇してからであればプラスになる。
下落相場で含み損があれば確かに辛いかもしれないが、下落相場はある意味チャンスでもある。悲観していても始まらない。感情に振り回されず、自分のルールに基づいて資産形成を継続していこう。
新NISAで投資を始めた理由を忘れない
新NISAをきっかけに投資をした人、結構多いと思う。制度開始から口座開設数が大幅に増加したらしいが、その反面退場(売却してやめちゃった)人もかなり多かったらしい。2024年7月にガツーンと下がって怖くなってやめてしまった人、まあ気持ちは分からんでもない。
2023年から2024年6月までは特に相場が順調で、「株式を持ってさえいれば儲かる!」みたいな空気が溢れていた。今まで投資に興味がなかった人でも、やれS&P500 だオルカンだ、米国最強だと周りが騒いでいるから意識せざるを得ないだろう。そんな中、新制度の開始をきっかけに
「やってみようかな?」
と始めた矢先に急下落・急上昇からの再下落。「怖っ!!!」と思うのも仕方がない。
会社では「NISAやってないなんてもったいないよ」みたいに、まだ投資を始めていない人にイキリ散らかしまっくてた人がいたけど、そういえば最近おとなしいな。失禁売却したんかな?(知らんけど)
「お金、増やす。お金、貯まる」と思ってた方程式が、「お金、減るかも。お金、貯まらないかも」と思えてきた瞬間、ある人は売却しちゃったり、またある人は積立や入金をストップしてしまう。
持ってる株が上がったからヒャッホー、下がったから落ち込んでいる場合ではない。
何のためにNISAで資産形成を始めたかをもう一度よく考えてほしい。
大金持ちになりたいとか、数年で億の資産を築きたいと思っている人は、そもそもNISAだけでは無理だから他の方法を考えたほうがいい。
多くの人が老後や将来のため、お金に困らない人生を送るために資産形成をしたいと思っているはず。年金だけでは経済的に豊かな老後を過ごせそうにないから、今の仕事をいつまでも続けられるとも限らないから、とか色々な理由があるが、将来にむけて長期的に資産を形成するつもりで始めたはずだ。
10年、20年、30年後に向けて資産形成をしているのだから、目先の含み損益に一喜一憂してもしょうがない。世界経済は時間の経過、人口の増加とともに成長していくことは過去の歴史が証明している。それを信じて優良なインデックス株を、なるべくNISA枠上限を埋められるように頑張っている。
相場に関係なく買い続ける
ドルコスト平均法。常に一定額を買い続けることで、相場が下がった時はいっぱい買えるし、上がった時は少なく買う方法。極端な高値づかみを回避できるので、リスク分散には有効である。よくあることだと思うけど、個別株を買った時ってなぜかすぐに下落して落ち込む。一株5000円の株を100株買った50万円が、翌月に一株4000円に下がって40万円になったら結構ショック。
一方分散して購入する方法なら、まず25万円分(50株)買う。翌月は株価が4000円/株なので、25万円で62.5株買えることになる。同じ50万円を使っても、前者は100株で後者は112.5株保有できることになる。将来的に一株6000円になれば、一括で買った時より75000円も利益が出る。反対に翌月に株価が上がった時は、一括で買った方が儲けは多くなる。
ここで強欲な私たちは
「高い時は購入を見送って、安い時にたくさん買えばいいんじゃね?」
と思ってしまいがちだが、これは無理な話である。そもそも短期的に株価が上がるか下がるかなんて誰にも分らない。仮に「毎月一定金額購入VS下落時に購入」でシミュレーションすると面白い結果が出た。

みんな大好きオルカンを参考に、分かりやすく基準価格を一株当たりの単価と見立てて計算する。
2023年5月から2024年4月までの間に、毎月10万円分購入すると120万円で約105株分を購入できる。一方、同じ120万円を下落時に狙って4回に分けて購入したとすると約100株分しか購入できない。2025年4月時点で約5%のパフォーマンス差ができてしまったことになる。相場が下がったタイミングを待っているよりも、早い時期から淡々と一定額を積み立てたほうが良い結果となった。
相場が下がれば購入できる株数が増えると言っても、最終的に今まで購入してきた金額より株価が下がってしまっては元も子もない。そのため「長期的に見れば全世界の経済は成長している」を合言葉に、優良なインデックス株を購入している人には特に相性のいい購入方法である。
まとめ
米国経済の先行き不透明感により、特に投資を始めたばかりの人は不安が多いことだと思う。ここ最近までの米国の好調が凄まじかっただけに、今現在の株安状況には危機感があるように思える。「米国の時代は終わった」などと言う人もいるが、今後は米国以上のパフォーマンスを出す国や地域が出る可能性が増えただけの話だ。
世界中で広く使われているサービスは米国企業が多い。アップルやマイクロソフト、グーグル・アマゾン・フェイスブックにテスラ。これらを押しのけて活躍する企業が米国以外から出てくるのはまだ難しいだろう。「アメリカ最強!」ではないかもしれないが「アメリカ弱小」ではないのだ。なんだかんだ言って、このままアメリカ一番のまま2025年を終えても全然不思議ではない。
S&P500が不安なのであればオルカンの購入比率を高めればいい。今は米国比率が高いが、経済の力関係が変われば自動で組み換えをしてくれる。
大切なのは投資を辞めない、市場から撤退しないこと。長期目線で相場に関係なく入金し続けることで将来に向けた資産形成をしていく。コツコツ淡々と継続が大事だ。
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